



Veroは未来の金型製造現場を支援
ドイツの金型メーカーFormenbau Kellermann GmbHは、VISIに投資してゼロ点クランピング方式によるパレット生産工程を導入する事で、リードタイムを20%以上短縮しました。
Nürnbergの近くに拠点を構えるFormenbau Kellermannは、1970年Mr. Heinz Kellermannによって設立され、インテークマニフォールド、オイルモジュール、エアフィルター筐体、そしてシリンダーヘッドカバーなどの樹脂部品用の単一入れ子と複数入れ子金型を供給する会社として、自動車業界で有名になりました。これまで2回拠点を移して規模を拡大して来ましたが、現在エンジニアであるMs. Sabine Kellermannが会社を運営し、27人の従業員がいます。
"現状に満足している人にとっては金型作製で活躍出来る機会はないでしょう。自動化は我々の費用を削減し、かつ未来もそうなり続けるでしょう。”
Sabine Kellermann
「価格圧力、新興国との競争、短いプロジェクト期間は、金型メーカーに従来の単品生産を再考させる試練となっています。」とSabine Kellermannは説明します。「金型製作においては、柔軟性と最新技術の使用が必須です。この基本原則は、これまで工作機械とソフトウェアに多大の投資をして来たFormenbau Kellermannにも当てはまります。従って、我々は変貌しつつある市場に適応する準備は出来ています。」
切削と放電加工機(EDM)部門には、Mikron/AgieCharmilles製HPM1350 UとHPM 1850 Uの2台の5軸加工機と5軸Huron EX加工機1台が装備されています。加えて、電極作成用にMikron HSM 700切削マシン、AGIE 100ワイヤ放電加工機、垂直放電加工機(Exeron、Hansen)3台、そして多数の切削、穴あけ、研磨用の手動機械があります。
自動化
工程の自動化はFormenbau Kellermannの専門分野であり、それは金型設計から始まりました。設計に直接関わらない分野であっても出来るだけ標準化を行います。例えば、圧力プレートやガイド部品は、全ての金型で統一されています。金型の心立ての場合、大きさの異なる2つか3つの部品しか使用しません。加えて、社内用設計標準と標準部品カタログを準備しています。
Kellermanが選択したCAD/CAMソフトウェアは、英国VERO Software製のVISIでした。「先進企業として、我々は既に3次元CADに投資をしていました。」とSabine Kellermanは説明します。「2003年にVISIに切り替える前は、長年市場で販売されていたICEM DDNを使って作業をしていましたが、他社最新システムに対する競争力を失っていました。」
フィーチャー認識がCAMの一本化を主導
2004年NC部門にVISI Machiningを導入し、DelcamのPowerMILLと共にCAMの作業を行いました。しかし、2009年に会社は全ての加工業務をVISIで一本化しました。「統一され一貫したCAD/CAMシステムを使う利点は、2つのシステムを使う利点を上回ります。従来からプログラミング時間を短くする工夫を行っていたので、ネイティブCADデータに対するフィーチャー認識機能は作業を自動化する上で重要な要素です。」とSabine Kellermannは説明します。
フィーチャー認識機能を持つ“Compass(コンパス)”の導入により、金型製造時頻繁に現れる穴加工や溝加工などのフィーチャー形状に対する2軸と2.5軸加工データを自動で作成出来るようになりました。これによりプログラミング時間が劇的に削減され、潜在的な位置合わせの問題を取り除く事が出来るようになりました。原則的に、プレート加工用CNCプログラミングには3つの段階が必要です。フィーチャー認識の実行、会社で構築したCompassルールの実行、そして最後に完成したCAMデータの検証です。Compassルールの設定とカスマイズは、ドイツのVISI代理店MECADATが行ってくれました。MECADATは現場で従来のCAM加工方法を分析し、そのノウハウをCompassのルールとして構築する支援をしてくれました。
3軸/5軸同時加工
Kellermannでよく使用される機能の1つに、3軸用工具軌跡を同時5軸用工具軌跡に自動変換する機能があります。「この機能を使えば、プログラミング時間を短縮すると同時に、5軸加工の利点を享受出来ます。」とSabine Kellermannは説明します。「例えばMikron HOM 1350Uでは+16°から-120°の角度のアプローチが可能で、スピンドルとテーブルの距離はたった30mmです。これはほとんどの形状に対して適用可能で、付き出し長さが短くより剛性の高い工具を使う事で振動を減らし、より精度の高い仕上げ面が得られます。」
続けてSabine Kellermannは言います。「工程の自動化及び標準化には、充分な情報が必要です。VISI工具ライブラリの共有化は、工程の自動化にとって画期的な出来事でした。例えば、ネットワーク上の全てのユーザーは、VISI工具データベースを利用出来ます。そしてVISI工具データベースは、通常高価な工具管理システムがサポートする工具ホルダー、エクステンション、コレット、切削工具、アセンブリー、切削条件などの情報を管理出来るのです。」
機械の負荷と柔軟性
「切削出来ない物はめったにありませんし、そして最早CNCマシンの問題を経験する事もありません。」とMs. Kellermannは言います。Mikron 5軸加工機には、それぞれ1トンの負荷容量を持ち、かつCNCマシンを最適使用するためのゼロ点クランピングシステムを備える3つの丸テーブルを含むパレットシステムが装備されています。さらにSabine Kellermannは、パレットシステムとゼロ点クランピングシステムの利点である柔軟性について述べます。「機械の稼働を、ゼロ点を失わずにいつでも中断する事が出来ます。これは、リードタイムや効率に影響する緊急の修理や、汚れた表面を素早く再加工する場合に特に便利です。」
著しく改善された工程、ソフトウェアの自動化、そして高機能CNCマシンの効果は、いずれもDaimler Mercedes E-Class Cabrio用新世代ディーゼルモーターの革新的エアフィルター筐体作製プロジェクトで実証されました。大いなる誇りを持ってSabine Kellermannは締めくくります。「ハイエンドソフトウェアとハイエンドマシンを併用する事で、リードタイムを20%以上削減出来ました。現状に満足している人にとっては金型作製で活躍出来る機会はないでしょう。自動化は我々の費用を削減し、かつ未来もそうなり続けるでしょう。」
ユーザー情報:
会社名: Formenbau Kellermann GmbH
導入効果:
- 設計と製造のための統合CAD/CAMソリューション
- Compassを使用して2次元加工を自動化
- 加工の生産性が20%向上
"現状に満足している人にとっては金型作製で活躍出来る機会はないでしょう。自動化は我々の費用を削減し、かつ未来もそうなり続けるでしょう。”
Sabine Kellermann