Veroはsmart金型生産を支援
Hertfordshireを拠点とするBK Toolingは、モールド金型と小型樹脂射出成形プロトタイプの設計生産を専門とする伸び盛りのサブコントラクターです。
BK Toolingは、金型の設計と製造の全てをその範疇に置き、複雑度に関係なく全ての業務に適用可能なsmart生産手法を開発しました。部品の移動回数が少ない程精度が上がる事がわかり、BK ToolingはRenishaw OMPプローブ、System 3R Refixテーブル、そして電極と入れ子用注文生産パレットシステムを利用したツーリングを含む金型製造に関する標準アプローチ手法を考案しました。
"Veroの現場の知識は、他の追随を許さないサポートと共に製品に見事に反映されています。"
“金型全体は、5週間以内に設計、加工、組み立てが行われます。”
オーナー Bob Tunks
「最初から正しいやり方で進める」という格言をしばしば耳にしますが、まず当てはまる事は有り得ません。しかし我々の成功率は99%以上であり、それは我々の生産方法、品質レベル、最新技術への継続的投資まで当てはまります。」とBK Toolingの所有者Bob Tunksは主張します。
当初手動BridgeportsとXYZ Protrakハイブリッド切削機械から始めて、BK Toolingは増え続ける要求に対処するために、XYZ 1060高速マシニングセンターを設置しました。1060高速マシニングセンターは1020mm(X) x 610mm(Y) x 620mm(Z)の加工範囲を持ち、多数の直線動作を滑らかな曲線動作に変換するためのSiemens 840D ShopMillコントローラを前面に装備しています。「この機械は、6mmの工具をパーティング面上で0.1mmのステップオーバーを用いて送り速度2,500mm/分で動かす能力を持ち、2つの面は完全に一致します。金型製造作業の多くは複雑な3次元データに対する高速切削加工を必要とし、そして単に20ミクロン程の誤差でも部品のフラッシング(間違った場所に流入する樹脂)を起こし、最終的に部品不具合の原因となります。」とBobは説明します。
重要な事は、BK Toolingによる投資は工作機械だけでなく、最新のCAD/CAM技術まで及ぶ事です。BK ToolingはCAD/CAMのヘビーユーザーで、10年以上の間Vero SoftwareのVISI製品を使用して来ました。しかし、VISI Flowを使用する事で、快適さとスタイルで評判の高い自動車サプライヤのための後部乗客肘掛けプロジェクトで非常に有益である事が最近わかりました。材質はポリカーボネート(PC)とアクリロニトリルブタジエンスチレンポリマー(ABS)の混合で、この組み合わせは流動のし易さ、寸法安定性、少ない収縮率と耐熱性を含む自動車産業が一般的に必要とする独自の能力を発揮します。
顧客のCADデータはSTEPファイルで供給され、単一ソリッドボディーとして直接VISI Modellingに取り込まれます。モデルが変換された後、VISI Analysisを使って分割線とコアとキャビティ曲面がまとめて作成されます。
ボブは説明します。「金型設計を始める前に、樹脂充填シミュレーションを行う事に決めました。何故なら部品には肉厚の厚い部分と薄い部分があり、1箇所のゲート位置から充填する事が心配だったからです。しかし、私はそれがうまく充填されるのを見て驚きました。実際、私が予想した以上に大変うまく行きました。しかし最も重要な事は、システムが内部の空洞のためにシンクマークが起こるであろう場所を強調表示した事です。これまでVISI Flowによる予想結果は実際の成形条件に正確に一致していました。そこで更なる解析の後、問題箇所を取り除くために金型設計を修正しました。」
3次元金型設計は、Meusburgerダイセットと標準部品ライブラリを使用する事で、2週以内に完全に完全しました。ボブは続けます。「金型全体は、5週間以内に設計、加工、組み立てが行われます。我々のsmart生産方法は、プロジェクトの簡素化と標準化を目的としています。1060高速切削機械は24の工具交換装置を備えていますが、我々の工具ライブラリ全体は100本の工具だけです。利点としては、我々が各々の工具の首の長さを知っている事、また常に利用できる予備工具がある事です。金型加工は工具軌跡の品質が全であり、必ずしも全体のサイクル時間を2、3秒縮める事が重要とは限りません。例えば、コアプレートだけで加工に25時間以上掛かるので、信頼できる工具軌跡を作成する事は肝要ですが、その点VISIはこれまで我々を失望させた事はありません。」
金型修正
最初の一連のプロトタイプの部品を成形した後、部品テストの最中に安定性の課題が発見されました。通常の応力下で部品は僅かに湾曲していたので、部品に修正を加えました。部品剛性を高めるためにリブの長さを長くしたのです。最初は、この余分なリブ深さがコアブロックに対して簡単に放電加工出来ると予想していましたが、更なるVISI Flowテストの結果、モデルの修正はガストラップを引き起こす事がわかりました。「リブの深さはガストラップ誘発の懸念を引き起こし、またイジェクションの潜在的課題となりました。」と、ボブは説明します。「我々は、ストリッパーボルトを使ってコアプレートに固定する浮動入れ子を採用しました。これにより、イジェクション工程で入れ子をおよそ2mm自由に動かせるようになりました。入れ子は部分と共に離れてすぐに収縮グリップを分断し、壁を引きずり上がる際の表面損傷の可能性を減らします。これは(ガラスを詰めた)充填剤を用いた材料を使用する場合は収縮率を減らす傾向があるので、特に重要です。」
最後にBobは説明します。BK Toolingは大型の樹脂成形品を安価に提供する事が避けられない企業になる前に、プロトタイプと小型樹脂成形品を提供するニッチな分野を見出しました。「我々はしばしば複雑な製品を取り扱うので、高度なソフトウェア無しには短期間でのプロジェクトの完成と、一連の成形品の供給を決して保証する事はできませんでした。Veroは我々の組織で高く評価され、我々の活動にとって無くてはならないものです。彼らの現場の知識は、他の追随を許さないサポートと共に製品に見事に反映されています。」
ユーザー情報:
会社名: BK Tooling
業容: モールド金型サブコントラクター
Web: www.bktooling.co.uk
導入効果:
- VISI Analysisを使ってパーティングラインとパーティング面を作成
- VISIの解析ツールで部品の成形実現性を検証
- VISI Flowの結果は実際の成形条件と正確に一致
- Softwareシミュレーションで潜在的な空洞とガストラップを検出
「Veroの現場の知識は、他の追随を許さないサポートと共に製品に見事に反映されています。」
「金型全体は、5週間以内に設計、加工、組み立てが行われます。」
Bob Tunks
オーナー