Rutland Plastics - 射出成形以外にもCAD/CAMを幅広く利用
業界をリードする英国のエンジニアリング向け射出成形企業は、VISIソフトウェアをモールド金型設計以外にも幅広く利用しています。Rutland Plasticsは、彼らの持つObjet 3次元プリンターを使って、現場での組立工数を半減する二次的な作業治具を設計製造しました。
"良い技術者であれば誰でも、CAD/CAMシステムはただ射出成形金型だけを作る道具ではない事を知っています。それはどんな設計にでも利用出来る本当に強力なシステムです。”技術マネージャー Carl Martin
技術マネージャーCarl Martinは言います。“良い技術者であれば誰でも、CAD/CAMシステムはただ射出成形金型だけを作る道具ではない事を知っています。それは、どんな設計にでも利用出来る本当に強力なシステムです。我々は、小さな治具から多数個取りモールド金型まで、多くの異なる製品の設計にCAD/CAMシステムを使用しています。”
彼は、会社を発展させるためのVISIの役割は、競争力のある排水設備のための管継ぎ手を作成する多様性にあると言います。“我々は、3次元プリンターを使って継ぎ手のプロトタイプを作成するために、また製品のモールド金型と組立作業を自動化するための特殊な治具を作成するためにVISIを使用しました。”
Carl Martinは、Objet Connex 350を使ってプロトタイプを作成するのに、VISIのメッシュ機能は大変有用な機能であると言います。VISIの一連のメッシュ機能には、問題のあるメッシュの修正、単純化、穴埋め、そしてメッシュ構造解析機能があります。プロトタイプを作成する目的は、プロトタイプ部品を実際のパイプに接合し、その部品をモールド金型で作成する前に期待通りの性能を発揮するかどうか確認するためです。“部品が正しく成形されない場合、金型変更に高い費用が必要となります。3次元プリンターで作成したプロトタイプ部品が完璧に機能すれば、次はVISIを使って射出成形金型の設計に移る事になります。”
VISIを使って部品を設計すれば、後はP20硬化工具鋼を使った金型生産をCADからCAMまでシームレスに行う事が出来ます。VISI Mouldのモデル準備機能を使えば、作成したモデルが成形可能かどうかを事前に確認する事が出来ます。また、テーパ解析機能でモデルを調べる事で潜在的な設計上の問題を事前にまた簡単に把握出来ます。“我々は、2つのキャビティーに対して分割線と分割面作成機能を適用し、その後付属部品を取り付けて金型設計を完成させます。つまり、我々はキャビティープレート、バッキングプレート、イジェクターシステム、ライザー、そして型締プレートの各部品に関する精度を保証出来るのです。”
他の重要な側面は、VISI Flowによる射出成形シミュレーションを使って、理想のゲート位置を見つける事により、如何に最適な成形条件を得られるかを示す事です。“部品のどこにゲートを配置するか、どの領域で充填が困難か、また金型のどこにベント(空気抜き)を配置すべきかをあらかじめ検討する事は非常に重要でした。VISI Flowは、成形機上で金型がどう振る舞うかを示してくれました。”
高密度ポリエチレン(HDPE)部品で、継ぎ手を1つに溶接するための組込型電熱素子を内包する特殊な取付金具を使って、電気融合により2つのパイプを接合します。溶接を確実な物にするために、製品を工場出荷する前に 黄銅製連続ピンを挿入する必要があります。“元々1人の管理者で旋盤とワイヤを管理し、もう1人が手動でワイヤを適切な位置に保持するためのピンを挿入しています。” 競争力を維持するために、Rutland Plasticsはピン挿入作業を自動化し、人手を2人から1人に減らす必要が事ありました。
“我々は、この課題に対処するための治具を、VISIを使って徹底的に設計しました。VISIを使って部品を作成し、そして現場でそれがどう機能するかを事前に確認するため、全ての動作シミュレーションを行いました。”
Rutlandが使用するVISIライセンスは、VISI PEPS-Wire、VISI Electrode、VISI Machining 3Dも含んでおり、生産工程管理及びBridgeport VMC切削機(2台)、Fanuc Robocut 1iaワイヤ放電加工機、AgieCharmilles Roboform 30放電加工機用の加工データ作成に等しく重要な役割を担っています。
“表面模様仕上げを必要とするモールド製品の約90%に関して、我々は頻繁に放電加工を使用します。もし顧客が特定のVDI放電仕上げを必要とする場合は、我々はVISIで電極を設計し、バックエンドErowaブロックをシステム内に取り込んで、加工機の適切な位置に配置します。その後、旋盤加工か切削加工のどちらかを行った後に、特定の仕上げ加工を行うために放電加工を行います。” 電極作成は時間が掛かって複雑な作業ですが、VISIモジュールを使えば電極とホルダー、そして加工が難しいフィーチャーを簡単に作成管理する事が出来ます。ホルダー設計、シミュレーション、干渉チェックを総合的に実施する事で、最初から完璧な電極を作成する事が出来るのです。
VISI PEPS-Wireは、モールド金型の小さくて込み入った入れ子のワイヤ放電加工に使用します。VISI PEPS-Wireを使用する事で、ソリッド形状からワイヤ放電加工フィーチャーを自動認識し、信頼性の高いワイヤ放電加工用工具軌跡とNCコードを作成出来ます。
一旦金型が構築出来れば、Rutland PlasticsではEngelとKrauss Maffei射出成形機を使って、ガス、水、石油化学産業、農業製品、電気容器、建設産業、自動車産業向けの様々な部品を生産します。マーケティング・マネージャーStuart Lovettは言います。“成形作業は、1日24時間、週5日行われ、重さ数グラムの部品から、最も大きな製品である長さ710 mm重さ48キロの電気融合接合器までを製造しています。”
どちらかと言えば部品設計よりもモールド金型その物に注力をしているものの、Rutland PlasticsはVISIを使って顧客の設計した部品が射出成型に適しているかどうかを手助けするための支援も行っています。電気融合パイプ接合器に関しては、350 x 350 x 200 mmの製作範囲を持つObjet 3次元プリンターを使ってプロトタイプを作成、それは彼らの3次元プロトタイピングサービスの基礎にもなっています。彼は、1回限りあるいは少量の試作を目的に3次元プリンターは増々普及するであろうと予想しています。何故なら、Objetプリンターは1回の試作で10種類の異なる素材を、また全部で110種類もの素材を試作に使用出来るからです。
ユーザー情報
会社名: Rutland Plastics
Web: www.rutlandplastics.co.uk
導入効果
- 3次元プリンターを使ってプロトタイプを作成するために、また製品のモールド金型と組立作業を自動化するための特殊な治具を作成するためにVISIを使用しました。
- 部品のどこにゲートを配置するか、どの領域で充填が困難か、また金型のどこにベント(空気抜き)を配置すべきかをあらかじめ検討するためにVISI Flowを使用しました。
- Bridgeport VMC切削機、Fanuc Robocut 1iaワイヤ放電加工機、AgieCharmilles Roboform 30放電加工機用の加工データを作成するためにVISI PEPS-Wire、VISI Electrode、VISI Machining 3Dを使用しました。
コメント
"良い技術者であれば誰でも、CAD/CAMシステムはただ射出成形金型だけを作る道具ではない事を知っています。それは、どんな設計にでも利用出来る本当に強力なシステムです。"
技術マネージャー Carl Martin