VISIで特注電極の生産を加速
Vero SoftwareのCAD/CAMシステムVISIは、ドイツの会社が特注グラファイト電極生産における引く手あまたのビジネスパートナーになる上で、大いに役に立ちました。
Upper BavariaにあるTechnologie Vertriebs und Beratungs GmbH (TVB) のプロジェクト管理責任者Florian Rauchenbergerは、特注金型作成が増える傾向にあり、放電加工用の電極作成もその例外ではないと言っています。
“我々はVISIを選びました。何故なら、VISIのモジュール群は特に金型と樹脂成形業界の要求に焦点を当てているからです。”
金型設計担当 Florian Rauchenberger
“グラファイト電極作成に関しては、今や多くの金型メーカーが、サービスプロバイダーが持つ専門知識に大いなる信頼を寄せています。グラファイト電極は銅電極より効率的で、放電時間は25%から30%で済みます。グラファイトを使用する事で、より複雑でかつより細かい構造を作り出す事が出来ます。”
TVBは仕事の大部分をグラファイト電極作成と、設計、3次元スキャニング、3軸と5軸の高速加工、ブラケットとクランプシステムの組立などの関連サービスに特化しています。“我々は金型と樹脂成形業界の顧客70社向けに、年間平均12,000から15,000もの大小様々の電極を作成しています。通常の切削加工と比較すると、電極作成の仕事は目まぐるしく進行します。我々はしばしば、受注後150もの電極を3日から10日の間で納めなければならない事があります。”
そして、VISIが欠かせないのは正にこの電極作成工程なのです。洗練されたERPソリューションと合わせて作業を行う事で、VISIは設計からNCプログラミングと切削加工までの“完全に一貫したCAD/CAMソリューション”を提供出来る、と彼は言います。
“我々はVISIを選びました。何故なら、VISIのモジュール群は特に金型と樹脂成形業界の要求に焦点を当てているからです。VISIは、設計とNCプログラミングにおいて同一のデータモデルを使用しています。また、全ての操作局面において統一された大変分かりやすい使い勝手を実現しています。”
それは殊更に重要です、とFlorian Rauchenbergerは言います。何故なら、TVBの設計者は切削データの作成も行っているからです。“VISI Machining CAMモジュールが、生産部門にある2台の端末にインストールされています。例えばVISI Electrodeを利用する事で、金型のキャビティ形状から電極を簡単に抽出し、放電領域を個別に検出する事が出来ます。そして曲面を線形かつ接線方向に延長する事により、電極形状を自動で作成する事が可能です。
“VISIはグラファイト電極を加工するために、グラファイト素材の特性を考慮した専用CAMモジュールを提供しています。”
Florian Rauchenbergerは、TVBが契約を勝ち取るためにVISIが如何に役立っているかも合わせて説明します。“我々はモールド金型の入れ子、または設計した電極全体のCADデータを使って、入札のための計算書を作成します。これには、どのVDI(Verein Deutscher Ingenieure, the Society of German Engineers)曲面を作成すべか、どのタイプのグラファイトを使用すべきか、工具径と工具寿命を決定するためのモデル最小半径の検証、荒取りと仕上げに必要な電極の数の算出、放電計画立案などが含まれます。”
一旦契約を勝ち取る事が出来ると、彼らは高いリブ形状または深いポケット形状の取り扱い、電極がブラケットに適合するかどうか、また部分的な電極作成が必要かどうか、などの課題に取り組みます。“もし顧客が電極全体の設計データを提供してくれない場合は、我々はVISI Modellingを使ってデータを抽出し、モールド金型の入れ子に電極を位置決めします。”
プログラミングが終わると、VISI Machiningは加工作業者のために、使用工具、回転数、送り速度、加工時間などを含む加工指示書を作成します。加工が終わると3次元測定機を使って電極を測定し、そしてVISI Electrodeを使って放電加工機で使用する電極に関する詳細情報を文書化します。
この哲学とVISIを使用する事で、TVBは電極を必要とするモールド金型メーカーと成形メーカーにとって引っ張りだこのパートナーとなりました。Florian Rauchenbergerは言います。彼ら自身が開発し、IMTモータースピンドル、ハイデンハインTNC620またはAndronic 2060コントローラー、及び超高速Sercosデジタルドライバーを搭載したE-Jet 550モジュラー型高速切削加工機を使って加工出来ないグラファイト電極はほとんどないと。
パレットとゼロ点クランピングシステムにより、機械の能力を最大限活用する事が出来ます。何故ならスピンドルの稼働と設定は別々に行われ、正にこれが大きな利点だからです。“我々はゼロ点を失う事無く、いつでも稼働を中断出来ます。通常機械を80%の能力で稼働しようとする時、考慮しなければならない危険性が常に存在します。顧客が我々に特定の電極を2日で作成して欲しいと言う時は、我々が持つ作業工程を確実に適用し、顧客が要求する物を納品する必要があります。
“VISIのお蔭で、固有の要求により早く、またより柔軟に対応出来るようになりました。これは、さらなる生産時間の短縮化を達成するためにかなりの圧力を受けている我々のモールド金型メーカーと成形メーカーの顧客に恩恵をもたらしています。”
ユーザー情報:
会社名: Technologie Vertriebs und Beratungs GmbH
Web: www.tvb-gmbh.de
導入効果:
- 3軸と5軸の高速加工機を使って、年間12,000から15,000もの電極を作成
- 一貫したCADとCAMのデータ構造により、エラーのないデータ変換を保証
- グラファイト電極作成のために開発された専用切削アルゴリズム
コメント:
“我々はVISIを選びました。何故なら、VISIのモジュール群は特に金型と樹脂成形業界の要求に焦点を当てているからです。”
金型設計担当 Florian Rauchenberger