
VISIとFaβnacht
Fasnacht Mould-Makersは、Wolfgang Fasnachtが15年前に彼の兄弟ともう一人の同僚と一緒に始めた会社です。最初は物置小屋で業務を行うような小さな会社でしたが、年を追う毎に業容は拡大し、現在従業員15名の名の知れた会社に成長しました。比較的健全な成長を遂げて来ましたが、Fasnachtは作業環境改善と製品品質維持のための費用負担が増えるのを懸念して、現在さらなる事業拡張は計画していません。
このモールド金型を生産する会社は、射出成形アプリケーションを専門としています。“我々は業界を超える評判のお蔭で、優位な立場にあります。自動車産業、医療技術分野、包装と白物家電業界、建設業界と電気産業は、全て我々の顧客と考えています。”とWolfgang Fasnachtは説明します。Fasnachtには、外部委託に関して明確な指針があります。他の誰かがより安く製造出来る場合は、それは外部委託となります。もし余力がある場合は、構造部品のみ社内で製造します。ノウハウを必要としない全ての部品は、機械工場で加工するか、他の会社に外注に出します。逆に言えば、金型と成形品の品質に影響を与える全ての加工作業と微調整作業、つまりノウハウを必要とする作業は全てFasnachtが行います。
"我々とMECADATの協力関係は素晴らしく、完璧です。"
時々、Fasnachtが直接製造していないモールド金型に対して顧客が助言を求めにやって来ます。Wolfgangは言います。“難しい部品は、我々の強みを発揮できる分野です。”どの部品が機能していないかを最初に見つけるのが、我々の強みの一部です。部品の潜在的な問題点を認識するために鍛錬された目は、BMWの機能ハウジング用金型の商談を獲得するために不可欠でした。ナビゲーションと温度調節装置用のハウジングは、BMW 3シリーズの中央コンソールに配置されます。ある顧客は、同様の部品を製造するためにFasnachtの競合メーカーと契約を交わし、大きな問題に直面しました。顧客と注文書を議論している最中に、Fasnachtは実際問題になりそうな箇所を全て指摘しました。この顧客はこれに痛く感動し、彼らはFasnachtに追加作業を依頼しました。
Bobingenチームは、注文をこなすのに16週間必要としました。この作業を通じてVISIシリーズが使用されました。データが利用出来る状態になると直ぐにVISIビューワーが使用されました。“私は部品を見て、どのようにモールド金型に展開し、どこに潜在的な難しさがあるかを分析します。”とWolfgang Fasnachtは手順に関して説明します。VISI Modellingを使って、Fasnachtの2人の設計者の内1人がパーティング面を決定し、モールド金型を設計します。顧客はモールド金型を検証し、そして設計工程は完了します。この工程にはたった4週間しか掛かりません。モールド金型の設計図は、部品表と完全なGA図面と共に3次元モデル内に存在します。
モールド金型構造部品は、ほとんど全てを外部から調達します。“MeusbergerとHascoに関しては、我々は品質の高い出荷実績を持つ標準部品製造会社2社と取り引きしており、我々はほとんど何も見ずに彼らに注文を出す事が出来ます。”とFasnachtは断言します。鋼鉄の入れ子はP入れ子として注文し、要求したオフセットで加工が行われます。
その結果、Bobingenチームは時間を節約出来たばかりでなく、高精度で部品を加工するために設計された工作機械の負荷も減らす事が出来ました。焼き入れ研磨した後、出来るだけ最終形状に近づく様に切削加工し、最終的にはグラファイトまたは銅電極を用いた放電加工か、またはワイヤ放電加工を行います。ワイヤ放電加工を必要とする全ての箇所で、輪郭加工ためのストック削り量は、VISI Wireが計算してくれます。“VISIを使用する大きな利点の1つは、外部設計者の多くがVISIを使って仕事をしているので、システムに連続性がある事です。”と自分の設計事務所を持つManfred Fasnachtは説明します。
Fasnachtは、3次元データ変換を行うための新しいシステムを探していた外部の設計者にVISIを紹介されました。元々、Fasnachtは現在使用中のサーフェスモデラー(ソリッドモデリング機能なし)を補完するためにVISIを必要としていました。Fasnachtは言います。“私は最初、VISIは我々が使用しているサーフェスモデラーには敵わないだろう、と正直思っていました。しかしVISIを保有して以降、我々はサーフェスモデラーを使用していません。” Fasnachtは1999年からVISIを使用しています。VISIへの以降は全く問題ありませんでした。サーフェスモデラーの使い方を学びましたが、より簡単に操作出来るソリッドモデラーには何の問題もありませんでした。VISI代理店MECADATの経営責任者Ralph Schmittは、しばしば次の光景に出くわします。“サーフェスモデラーから始めた人は、VISIのハイブリッド・ソリッドサーフェス・モデラーに移行するのが極めて簡単である事に気付きます。”
4月初めに、VISIバージョン13.1がFasnachtにインストールされました。予定されている今年度のVISI主要バージョンは、12月に開催された展示会EuromoldでMECADATによってお披露目されました。“我々は既に昨年VISIバージョン13.0に移行しました。13.0では、計算速度の大幅な向上などCAMの分野でいくつかの機能拡張が行われています。当然の事ながら、我々は顧客にこのバージョンを是非とも使って欲しいと思いました。”とSchmittは説明します。何故なら、数多くの新規及び拡張機能がサポートされたVISIバージョン13.1は、実質的に主要バージョンであったからです。例えば、VISI Mouldは全面的に書き換えられました。VISIの開発元であるVero International Softwareは、より柔軟性のあるソフトウェアを開発しました。例えば、ユーザーは金型プレートの追加と削除、または設計段階でのポストの回転が可能です。必要な機能は既にバージョン13.0に含まれていますが、正式にはリリースされませんでした。“我々は顧客と一緒にいくつかの試験を実施し、その結果を最終バージョンに反映したかったのです。” とSchmittは説明します。
バージョン13.1では、もう少し拡張が行われました。例えばサーフェス・モデリングに関しては、曲面全体を接線方向にトリム限界まで延長する事が出来ます。トリム限界を取り除き、曲面を延長し、新しいトリム限界をリセットし、そして隙間を閉じるという以前の煩雑な作業からユーザーは解放されました。C2連続曲面により、接線方向に連続な曲面の構築が可能となり、より滑らかで高品質な曲面の作成が可能となりました。VISI Electrodeは、2次元図面自動作成機能を含む新しい機能拡張が行われました。同時5軸加工は、ユーザーインターフェースの観点から最適化が行われました。より効率的なプログラム出力を支援するいくつかの新しい機能がサポートされました。MECADATは2005年夏に同時5軸加工モジュールの販売を始め、これまでに約100ライセンスをインストールしました。
バージョン13.1は新しいインターフェースもサポートしました。“我々は、新しいタイプの部品を供給するために、常に最新のソフトウェアを提供しています。毎回新しいバージョンがリリースされる度にこの作業を行っています。”とSchmittは述べます。主要リリースが完成した時でさえ、Veroの開発チームは既に次のリリースの準備を行っています。MECADATとVeroの間で物事は順調に進んでいます。そして、Manfred FasnachtはMECADATに対する満足感をこう述べています。“何も言う事はありません。言えるのは、我々とMECADATの協力関係は素晴らしく、完璧だと言う事です。”
ユーザー情報:
会社名: Faßnacht Mould-Makers
業容: 射出成形
導入効果:
- 部品表作成と完全なGA図面作成を含めて、設計から完成までを短期間で実現
- 多くの異なるデータ形式でCADファイルを取り込み可能
- 低品質CADファイルを自動で修復可能
- 保守契約とソフトウェア更新を通じて、継続的に付加価値を提供
- 優れた現地トレーニングとサポート
コメント:
"我々とMECADATの協力関係は素晴らしく、完璧です。"
共同創立者Manfred Fasnacht